小さな冒険日記

青春時代を記録したものです。

ロンドン 2007/12

 

(ヨーロッパ周遊プラニング)

12月に1ヶ月間、ヨーロッパに行こうとずっと前から考えていた。だが、普段のサボりのツケがきて、大学の研究室の先生からひどくお叱りを受けた。卒業できないといけないし、あきらめようかなというムードになりかけていた。だがどうしても心の整理が付かず、気分が晴れなかった。後悔したくなかったから、思い切っていくことに決めた。万が一、卒業できなくても仕方あるまい。「何かを得るためには、リスクをとる必要がある」と、登山で培った精神を思い出したのだ。ドキドキしながら、担当の教授にお許しをもらいに行った。一生懸命伝えた甲斐があったのか、思ったほどに叱られることはなかった。それから、急いで私の旅のプラニングが始まった。イギリスに3週間短期語学研修に行って、残り1週間で他の国を観光しようと以前から決まっていた。まず航空券の手配から始まった。周遊に便利なJALのPEX運賃(JAL悟空)で行くことにした。観光する国として、マドリッドとローマを考えていた。なぜなら、マドリッドには友人がいるから、ローマは見るべきものがたくさんあると思えたから。で、JALのサイトで検索してみたが、ロンドンからマドリッドに行く便に空席がなかった。悔しかったが、これもなにかの縁か運命かなと思って、スペインをやめて、パリに行くことにした。最初、ロンドンからパリは飛行機で行くつもりだったが、空港諸税や空港へのアクセス運賃なども考慮すると、ユーロスター(列車)で行くのと値段がさほど変わらないことが分かったので、ユーロスターで渡ることにした。ユーロスターは「RAIL EUROPE JAPAN」で予約した。そして以下が予約した航空券と列車チケットである。

 

JL421 関西(大阪)12/2(日)09:50発 →ヒースロー(ロンドン)12/2(日)13:35着 [12時間 45分]

EST9030便 ロンドン(パンクラス駅) 12/22(土)14:04発 →パリ(北駅)17:26着

AZ323 パリ・シャルルドゴール12/26(水) 14:55発 →フミチーノ(ローマ) 12/26(水)  17:00着 [2時間 5分]

JL400 フミチーノ(ローマ)12/30(日) 21:00発 →成田(東京)12/31(月)17:05着 [12時間 5分 ]

JL3007 成田(東京)12/31(月) 18:30発 →伊丹(大阪)12/31(月) 19:55着 [1時間 25分]

航空券は、燃油サーチャージなど全て混みで、\126,450

ユーロスターは、送料(\1,500)混みで、\19,300

 

次にロンドンのスクール選びをした。大学生協にあるパンフレットから選んで申し込んだ。

3週間で、1200£(約\300,000)

 

最後にパリとローマでの宿泊の手配だ。いずれもユースホステルを利用することにした。地球の歩き方に載っているホステルから選んだ。

パリ:4泊で52ユーロ

ローマ:4泊で82ユーロ

以上で準備が整っていざ出発だ。

 

 

 

 

2日昼過ぎ、私の乗った飛行機は、ロンドン手前で何度も旋回した後、ヒースロー空港に到着した。そこからメトロと国鉄を乗り継いで、ホームステイ先に向かう。出発前にグーグルマップで検索して印刷していったので、家はすんなり見つかってよかった。空港までの出迎えなど私にはもはや不要だ。ホースステイ先のベルを押すと、黒人の女性が2人顔を出した。とてもフレンドリーに出迎えてくれて私は非常に安心した。2人は母と娘で、イボンヌとデビーという名前だ。65歳と35歳くらいだろうか。イボンヌが私のホームマザーである。イボンヌが二十歳くらいのときに旧イギリス領のガイアナ(南米)から渡ってきたそうだ。2人は滞在中よく気を使ってくれて、私にとってまったく問題がなかった。コミュニケーションもよくとってくれた。休日に孫たちが大勢押し寄せてきて騒がしかったのはやや問題だったが、それよりも学生が私1人だけだったということが残念だった。だから休日はいつも一人で行動していてさみしかった。朝食は、主にコーンフレークとゆで卵と紅茶とバナナを出してもらっていた。夕食は、パサパサのライスに骨付きチキンを煮たスープをかけたものがよく出て、あまりおいしくなかった。他にはフィッシュ&チップスなんかも出てきたが、ラザニア・パスタ・ピザというイタリア料理が一番おいしかった。

学校はロンドン中心地のホルボーン駅近くにあるカプランアスペクトという学校だ。初日にクラス分けテストを受けて、higher-intermediate になった。だが、かなりレベルが高くてクラスを下げてもらい、intermediateになった。それでもまだレベルが高いと感じたので再びレベルを下げてもらい、lower-intermediateになった。それでも周りの学生の方が私よりできると感じたが、まあこれくらいならついていけると感じだった。lower-intermediateの先生はカヤというポーランド人の女の先生だった。ポーランド人とはいってもイギリス滞在が長く、ネイティブと全く変わりない。気さくな先生で私にとっては良かった。最初の1週間、学校が全く楽しくなかったが、クラスを2クラス下げてもらってからは、だんだん楽しくなってきた。だが、学校は前回のカナダのLSIの方が良かったなと思う。LSIでは、クラスのみんなの名前をホワイトボードの脇に先生が書いてくれたので名前を覚えやすかった。それに学生間のコミュニケーションをとる機会が多かったので、親しくなることができた。それ以前にカナダとイギリスの違いというのもあるのかもしれないが。

ここでわたしのロンドン滞在中の1日の例を紹介すると、・・・・・・・・朝7時起床。30分でイボンヌが用意してくれた朝食を食べる。1時間かけて学校に向かう。(メトロがよく止まるので遅刻しそうになったことが何回かあった。)8時半授業スタート。13時終了。学校を出て、近くのスーパー(Sainsbury's)で1ポンド(=250円)のサンドイッチを買って、近所の公園で寒い中食べる。その後、メトロに乗って一人で観光する。7時ごろ帰宅して8時から夕食を食べる。その後、部屋でテレビを見て、11時頃に就寝。・・・・・・・・まあだいたいこんな感じですごした。ちなみに、ロンドン滞在1週間後に酷い風邪をひいた。最初1週間ロンドンはあったかくて、ジャンパーなしでいけたくらいだった。だが、急に寒くなって、油断していた私はあっさりと風邪にやられてしまった。1週間ほど寒気がして大変だった。

ここでロンドンという町について述べる。まず地下鉄のラッシュがすさまじい。おまけによく故障で止まる(遅刻しかけたことが数回あった)。ロンドンには、インド人や黒人や中東系などあらゆる人種(アジア人は少ない)がいるように思えた。地下鉄や国鉄に乗っていると、英語以外の言語もよく耳にした。やはり旧イギリス領からの移民が多いのだろうか。調べてみると、やっぱり4人に1人が白人以外という多民族都市なのだ。ロンドンはそれからいくつか有名なフリーペーパーがあって、平日の夕方になると駅前に 'the london paper' 'london Lite'という2つの新聞が配られる。なぜ日本だけこういったフリーペーパーがないのか不思議だ。治安について述べると、かなり良いと言える。おそらく大阪と同じくらい。天気は、この時期は毎日曇り。1週間に1,2回だけ晴れる。日によっては、辺りがガスに覆われている日もあった。今度は人々について述べる。まず歩くのが早い。足が長いせいもあるだろうが、急いでいるような人が多い。信号もほとんど無視して、車が途切れる合間を縫ってさっさと渡ってしまう。それからフレンドリーさは、カナダ人と日本人の間くらい。ただ親切な人は多い。階段で女性がベビーカーを持っていたり、老人が重い荷物を持っているときには、すぐに''May I help you?''と周りの人が手伝っていた。そういう教育が子供の頃からされているのだろうか。最後に、ロンドンの物価はやはりポンド高のせいで高い。おそらくイギリス人は1ポンド=150円くらいの感覚でお金を使っているように思える。

 

最後にロンドン観光のおすすめどころを紹介しよう。ちなみにロンドンの美術館は無料のところが多い。(無料の美術館はほとんど行った。)以下は全て無料。     (参考)http://www.visitlondon.com/fl/jp/free/

・ミレニアムブリッジ

  ここからみるセントポール大聖堂は最高。ついでにテート現代美術館に寄っても良い。

・ナショナルギャラリー

  ロンドンにある美術館の中では最高。クオリティーの高い絵画が多数展示。私は特に聖書から引用した場面を描いた絵に興味を持った。

大英博物館

  とにかく広い。ただ古代のものが展示されているだけなのでつまらないとも言える。

・ビックベン

  夜はライトアップされてキレイ。中には入れません。

タワーブリッジ

  周辺にテムズ川の散歩ルートがあって気持ちよい。近くにロンドン塔があるが、入場料はかなり高い。

・バッキンガム宮殿衛兵交代式

  2日に1回なので注意。とにかく混むので、真剣に見たければ早めに行って場所取りすること(1時間前なら確実)。

グリニッジ

  展望台からの眺めが良い。帰りにカナリー・ウォーフに立ち寄って、高層ビル群を眺めるのもよい。