小さな冒険日記

青春時代を記録したものです。

上海 2009/3

 

今回は、JALのウェブサイトを見ていて、「14000マイルで中国へ」というキャンペーンを見つけて決めた。ただ、今回も計画はすんなりとはいかなかった。最初、上海は親と一緒に行こうかと予定していたので、北京に行こうと考えた。ただ、しばらく決断を保留しているうちに北京行きの席が○→△→×とあれよあれよという間に変化してしまった。完全にミスした!と思った。計画を中止するのはもっと悔しいので、上海行きを決めた(結局、母は祖母とともに3月前半に行ったそうだ)。いつも航空券の手配には苦しめられる。早めに計画を立てて、決断することが大切である。

 

(金曜日)

朝10時25分羽田発の便であるので、6時半に起床。1週間仕事が非常に忙しく、身体の疲れがとれないまま家を出る。羽田空港国際線ターミナルは非常に小さいなと思った。羽田から出ているのは、ソウルと上海くらいなのだろうか。飛行機の中では、疲れを取るためにぐっすりと眠りたかったが、やはりいつもの如く駄目だった。3時間半程度で上海虹橋空港に到着。さっそく、バスに乗って市街地に向かおうとするが、何番のバスに乗れば最適なのかよく分からずに困った。うろついていると、あるバスから降りた乗客同士が急に取っ組み合いの喧嘩を始めたではないか。お互いの連れ(彼女?)がその2人を静止してようやく収まったが、中国ではこういうアツイ喧嘩は当たり前なのだろうかとわくわく(?)した。さて、ようやくガイドブックに載っている市内への直通バスを見つけて乗り込むことができた。バスからの車窓で、上海は高層ビル率が高いなと感じた。でもそれらの建物は外観が結構汚い。高層ビルなのに汚いことに違和感を感じたが、もしかしたら黄砂の影響かもしれぬななど思った。30分ほど揺られて、静安寺駅に到着。そこで上海公共交通カードを購入。このカードはデポジット20元で、地下鉄だけでなく、バス、渡船などでも使えて非常に便利であった。最初にチャージしすぎて(購入時に何も考えずに100元札を出してしまった)、最後にずいぶんと余らせてしまったのが失敗であったが。さて、まずは地下鉄に乗って、ホテルに荷物を置きに行かなければいけない。南京東路という駅まで地下鉄を乗った。南京東路は歩行者天国となっている繁華街である。ここは夜に歩けばネオンがまぶしい派手な路である。その南京東路から脇道に入って500mほど行ったところが、今回私が泊まるホテルである。MENGXI HOTELといって、楽天トラベルから予約したのだった。値段は3泊で444元。1元が15円くらいなので、まあ安いだろう。最初 なかなかそのホテルを見つけられなかった。というのも、建物自体工事しており、本当に営業しているのかと心配になったくらいだ。ちなみにこのホテルに限らず、上海は今、至る所で工事が行われている。十分発展しているのに、まだまだこれからも発展し続けるのであろう。いずれ東京のように、あるいはそれ以上の都市になることが想像された。さて話は戻って、ホテルに荷物を置いた後は、現金がなくては観光できないので、近くの銀行(中国建設銀行)で両替を試みた。とりあえず一万円両替した(後に困ることになる)。結構時間がかかったが、レートはやはり良かった。空港で両替すると手数料50元も取られるらしいので、市内で換えて正解。さあ観光開始である。まずはやはり豫園。この豫園、地下鉄駅から遠いので、早速バスに乗ることにした。上海のバスは他の都市のバスに比べると断然使い勝手が良い。なぜならバス停に当該バスの全停車駅が掲示された看板が立っているから。停車駅は大体、南北の通り名と東西の通り名を組み合わせたものになっていることが多い。例えば、西蔵路と南京路の交差点であれば、西蔵南京、みたいな感じである。最初心配だったが、バスでうまく豫園まで行けた。豫園の周辺は迷路のようになっていて、豫園庭園にたどり着くのに苦労した。その豫園の庭園内もまた迷路である。豫園は、たしかに落ち着く場所であるが、決して感動する場所でない。その後は周辺の豫園商城等をぶらぶらした。屋台では得体のしれないものが売られており、匂いをかぐだけでもオエーとした。他には、中国チックなお土産が売られていたが、初日ということもあり何も買わなかった。後に、空港を除いてお土産を買う機会がなかったので、ここで買っておけばなと今少し後悔している。豫園商城の夜景をぜひ見たかったのだが、上海雑技団を見に行かなければいけなかったので、残念ながら断念した。さて、またバスに乗って南京東路まで戻って、地下鉄に乗ろうとすると、女の子たち2人組が声をかけてきた。怪しいなと思ったが、英語を使う機会にもなるし、少しの間相手をしてみたかったが、雑技団へ急いでいたので、バイバイと言ってさっさと退散した。地下鉄を乗り換え、黄波南路で降りる。新天地経由して、上海雑技団の劇場の一つである白玉蘭劇場に向かうつもりであったのだ。新天地は面積は小さいが、確かにオシャレ。ここが上海とは思えない。こんなところでデートでもすればなんとロマンチックであろうかなどと、妄想を膨らませたりなんかして。オシャレなレストランを横目に、メシを食っていないことに気づいて、時間もないので、コンビニで冷えたまずいおにぎりを買って、劇場で開園前に食べたのだった。白玉劇場はバスに乗る必要があり、やや不便な場所にある。だが、私の席はなんと一番前のど真ん中の席であったから、文句なしである。ちなみに私が予約したのは、http://www.hotels489.com/cn/dtl/tkt/index.html というサイトだ。ツアーよりは明らかに安い。雑技の内容は言葉で説明しずらいので、実際に見に行ってください。楽しく1時間半を過ごせた。その日はその後、ホテルに帰っておわり。

 

 

(土曜日)

予め、水郷の景勝地、周荘に行くことに決めていた。あいにくの天気であるが、しかたあるまい。上海旅遊集散中心から出ている観光バスに参加した。9時半出発で16時帰りと時間が決まっており、ガイドはいない。150元である。1時間半ほどで周荘に到着。迷路のようになっている風情のある水郷風景を楽しみながらぶらぶら歩いた。土曜日であるからか、観光客が異様に多かった。ほとんどは中国人で、この周荘は上海人にとっては、日帰りで行ける観光スポットなのだろう。最後に遊覧船に乗りたかったのだが、8人乗りボート1隻80元という料金体系で、こういうときに一人旅の弊害が出る。一人で乗るには高すぎるし、それに寂しすぎる。というわけで、シェアしようと思ったのだが、なぜか中国人は6人から8人くらいの団体で来ているケースが多く、一人だけ入れてもらうということが難しいのだ。さらに中国人は英語ができないので、まったくその意思も伝えることができない。一番良いのが日本人か西洋人を見つけることだが、なかなか待っていても現れない。未練たらたらであったが、仕方なくあきらめた。今思えば、筆談するなり、もうちょっと頑張ればうまくいったのかなとも思う。ただ、なかなか現地ではそういう余裕がないのね。結局時間を余らせてしまい、バス発車時刻の16時まで暇だった。バスターミナルの近くで釣りをしている人たちを眺めたり、ガイドブックを読んで今後の予定を組んだりして時間を潰した。上海に戻ってからは、まず食事をしてから、外灘の夜景を楽しむということにした。実際、食事処には今回の旅で非常に苦労した。どこいっても満員なのだ。その日は、なんとか地下街で空いている店を見つけ、小籠包を食べた。その後、外灘欄干へ行ってライトアップされた欧風建築を眺めつつ散歩した。それから渡船で対岸の浦東地区に向かった。また川沿いに散歩しているとなにやらドラム缶が並んでいるのを発見した。何だろうと思って近づこうとすると、いきなりそばにいた男たちが火を点けた。まもなく、バーンと花火が上がった。こんなに間近で花火を見たのは初めてだ。5分くらい、花火があがるのをずっと眺めていた。バーンという花火の爆発する音が、心臓に心地よい刺激を与えてくれるように感じた。タイミングが良かったな~とラッキーに思った。その後、ボッタクリの東方明珠塔には登らずに、ホテルへ戻った。

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確かに風情はありますね。

 

 

(日曜日)

かねての予定通り、杭州(Hangzhou)行きである。上海から日帰り旅行できる場所に、蘇州と杭州がある。蘇州には世界遺産に登録されている庭園がたくさんあるし杭州よりも近いが、私は杭州を選んだ。なぜかというと、ロンドン滞在中に、CNNで杭州の観光宣伝を何度も見たから、クラスメートに杭州出身の子がいた、ということで馴染みがあったから。ただ、それだけである。朝、9時に上海南鉄道駅へ着く。チケット売り場へ行き、電光掲示板に出ている「9時半出発杭州行き動車組(新幹線)」を紙に書いて伝える。すると、なんと「無い」との回答が。いや、さっきの掲示板に残り40と出ていたのに・・・。次の電車は?と聞くと、11時45分とのこと。仕方ないのでとりあえずそれを購入した。その後、唖然として電光掲示板を眺めていると、確かに残り0と変化していた。あと10分ほど早くくれば9時半発のチケット取れただろうなと思うと悔しかった。帰りのチケットも取れるか不安だったので、再び並んで19時~20時くらいに杭州発のチケットを購入した。よく見ると動車組ではない。動車組はないのかと聞くと無いと言う。1時間ほど余分にかかるが、仕方ない・・・。本当についていないなと思った。11時45分まで時間があるので、いったん人民広場に戻って、上海博物館へ行くことにした。上海博物館、セキュリティーチェックのため、並んでいてなかなか入れなかった。結局、上海博物館には30分程度しかおれなくて、駆け足で見て回った。オルセー美術館の時と全く同じ状況だ。興味深いものは少なかったが、水墨画だけはゆっくり見たかったな。それから再び上海南駅に戻り、動車組に乗り込む。快適な車両である。最初に水を1本無料で配られた。途中、弁当売りが来たので、弁当(20元)を買って食った。なかなかおいしかったので良かった。1時間半で杭州到着。周遊バスがあるはずなのだが、乗り場が見当たらない。近くのバイクタクシーの兄さんが乗り場まで5元で連れて行ってやるよと言うので、乗ると一瞬で到着。指差して教えれるくらいの距離なので、ふざけんなよと思って1元だけやると1元突き出した。向こうは5元だというが、こっちが駄目だと言うと、1元も受け取らずに去っていった。さて無事に周遊バスに乗りこみ、雷峰塔近くのバス停で降りた。早速40元払って塔に登る。塔からは西湖が一望できたが、あいにくの天気でイマイチであった。塔を降りたあとは、蘇堤に少し入ったところから遊覧船に乗って、孤島に向かう。ぶらぶら散歩して、再び遊覧船に乗って岳廟で降りる。それから孤山や中山公園を歩いて、白堤を渡ったところで、周遊バスに乗って駅に戻る。列車の時間まで2時間くらいあったので、粽を買ってベンチに座って食べたり、ぶらぶら周辺を歩いて上海とは異なる発達していない中国を感じたり、コンビニで日本メーカーの飲料・お菓子をみて驚いたりして時間を潰した。駅の待合室では大量の人が列車を待っていた。中国12億人、スケールが違います。また、電光掲示板にある列車の行先、「吉林」「昆明」「西安」「成都」・・・。いったい何日かかるんだよ。やっぱり中国大陸、スケールが違いますね。時間になって、車内に乗り込むと満員である。上の棚もスペースがないくらい、ぎっしりと詰められている。民族大移動を思わされた・・・。列車が出発してからも20分くらいずっと、できるだけ荷物を載せれるように配置換えなどを皆で熱心にしている様子をみているとおかしかった。10時過ぎようやく上海駅に着いた。その後ホテルに戻る前に、南京東路近辺で散歩したが、日曜日の晩だからか、ネオンも少なく歩いている人もかなり少なかった。代わりにPOLICEの車がよく走っているのが見受けられた。これだけPOLICEが警戒していれば、治安も悪くならないだろう。

 

(月曜日)

特段もはややることがなくなったので、あてもなく市内をぶらぶらすることにした。まず、静安寺に入って、上海人の熱心に祈る姿を真似て線香を立てて祈ってみたりした。大仏の裏側では解体工事をしていて、クレーンで建物を壊す作業など今まで見たことがなかったので、見ているだけで楽しめた。その後、デパートの中に入っている日系の味千ラーメンを食ったり、南京東路でショッピングしたりした(結局欲しい物がほとんどなく買わなかったが)。ホテルに荷物を取りに戻って、最後はリニアモーターカーに乗って上海浦東空港に向かった。リニアは時間帯の関係上か、残念ながら300kmまでしか出してくれなかった。空港では、余り過ぎた人民元を使わなければいけないという気持ちから、いくつかお土産を買ったが、なんせ明らかに現地相場に比べると高いのであまり買えなかった。結局、余った人民元は日本の空港で換えました。レートは悪いかもしれないが、上海の空港で手数料50元取られることを考えればお得であろう。