小さな冒険日記

青春時代を記録したものです。

北京 2009/12 〜 2010/1

 

航空券はJALのサイトで5万円+燃油・税金1万円で購入。やや高いとは思ったが、まあ年末年始だから已む無し。

1日目。朝10時半発のフライトだったが、北京空港の混雑の影響で1時間ほど出発が遅れる。現地に着いたのが、2時くらいだったので、今日はほとんどどこも行けないじゃないかとガックリ。空港で両替を済ませた後は、空港列車と地下鉄を利用してホテルまで向かう。ホテルは灯市口駅という繁華街の王府井からも歩ける立地にあり悪くない。楽天トラベルで予約したDRAGONホステルへ入ると、部屋がいっぱいだから、今夜一晩だけ近くのホテルで泊まってほしいと言われる。ふざけた話だが、中国だから仕方あるまいとあきらめる。スタッフとともに5分くらい歩いてそのホテルに向かう。そこで1泊分だけ支払い、荷物を置いてから観光開始する。まずは故宮の裏山である景山公園に向かう。すでに辺りは暗くなってきており、公園内はところどころにライトが照らされている。頂上まで5分くらい上ると頂上で、そこからは故宮や北京の町並みが一望できた。かなり寒いが、非常に心地よい気分だった。その後、西の方へ降りて北海公園へ入場する。景山公園にしても北海公園にしても夜7時まで空いているのがありがたい。真っ暗闇の中、頂上に向けて上った。暗闇でほとんど人もおらず、ややスリリングだが、それがまた楽しめた。丘を降りた後は、完全に凍った湖の周りの遊歩道を半周ほど歩いて、退場した。近くでバスに乗り込み、天安門へ向かう。北京のバスは上海と同じく、バス停に停車駅がすべて掲示されているから、非常に利用しやすい。天安門に着くと、ライトアップがきれいで感動した。毛沢東肖像画を見て、オレは北京に来たのだなと実感したのだった。そのまま歩いて繁華街の王府井へ向かう。東方新天地というショッピングモールに入ると、本当に洗練されていて、まだかなり新しい建物のようだ。その中にある点心店で、小籠包とヌードルを食べた。結構おいしかったので、がっつりと食べることができた。食後は、ホテルまで歩いて帰ったが、途中に王府井小吃街に立ち寄った。上海や台湾を彷彿とさせる屋台街で、あの吐き気を催すような油くさい臭いは健在であった。ホテルに戻ったのは9時くらいで、夕方からの観光だったが、充実した1日であったなと満足であった。ホテルの部屋は非常にきれいで暖房設備も優れていて、快適に過ごすことができた。

 

 

2日目。朝6時起床。ちょうど7時間半寝たので、体調はよさそうである。荷物をまとめ、チェックアウトして、本来のホテルへ向かう。そこで、チェックインしようとするが、スタッフは「今日はNO ROOM」と言う。「いやいや、昨日のここのスタッフは、今日こちらへ来てくれと言っていたよ。」と言うも、スタッフは何もしてくれない。相手はずっとニコニコした優しそうな女性であったが、英語の発音がかなり下手クソなので意思疎通が困難で、イライラした。結局、午後からシングルルームが空くだろうから、とりあえずドミトリーを押さえて置いておきましょう、ということになった。朝から30分以上ロスしたし、幸先の悪い一日となった。本当に、ちゃんと引継ぎしとけよ。。。。さて、今日は万里の長城に行くつもりだったのだ。どうやって行くかであるが、上海にもあったように、国営の北京旅遊集散中心という現地ツアーに参加することに決めていた。そのオフィスは前門駅付近にあると、ガイドブックには書いている。実際に行ってみると、オフィスは閉鎖されているではないか。どこか近くに移転したようで、探しまわるがなかなか見つからない。誰かに聞くしかないが、付近にはいっぱい似非業者がたむろしているので、相手には注意しなければいけない。英語が通じないので苦労したが、何人かに聞いてやっと正規のチケットブースを発見した。そこで、万里の長城八達嶺長城)と明十三稜(定陵)に行くツアーコースを申し込んだ。長城の入場券(35元)と昼食込みで160元だから、日本語ツアーに比べてかなり安いと言えるだろう。そのコースのバスがちょうど出発するところだったみたいで、タイミングが良かった。バスが動き出して、ツアーガイドが何やら中国語でひっきりなしに話し出す。全く分からないのでポカーンとしていたが、前の席の男性客が日本語で説明してくれた。その中国人は結構日本語を話せるので驚いたが、後で聞いた話によると京セラで働いているそうで、上司が日本人だから日常的に日本語を使っているそうだ。都度、集合時間を教えてくれたり、本当に親切な方であった。さて、まずはバスは明の墓に立ち寄り、現地で1時間半の自由行動の時間が取られる。地下宮殿を回って、博物館をみたりしたが、残念ながらイマイチ感は拭えなかった。その後、バスはお土産店兼レストランに立ち寄って、昼食休憩となった。最初にお土産店のデモンストレーションがあって、その後レストランでみんなでテーブルを囲んで食事となった。冷たくてまずい飯であったが、隣に座った例の中国人や逆隣のチェコ人親子と話しながらの食事であったので、心は温まったのであった。それから最後にメインの万里の長城へ。自由時間が2時間半である。ロープウェイで長城のところまで登った。天気はよく空気は乾燥しているので、長城からはよく見晴らしがきいた。長城はずーと遠くのほうまで尾根に沿って果てしなく続いていることに、歴史のロマンを感じた。長城は意外にも坂が急で、老人とかにはかなり危険だなと感じた。死ぬまでに行ってみたいところの1つをなし遂げたことに満足した。再びバスに乗って5時くらいに北京市街へ戻ってきて解散となった。その後、京劇でも見ようかと、長安大戯院に行ったが、結構値段が高い(6000円)ことが分かりあきらめた。その後、天安門横の中山公園へ行き、真っ暗の中、一人広大な面積を散歩した。この中山公園も昨日の景山公園や北海公園と同様に趣深く、中国人の美的感覚のクオリティの高さを感じた。寒いが、本当に気持ちが良い散歩であった。それから、昨日同様に王府井まで歩いて、王府井食堂街というところの中で吉野家を食べた。ついつい食べたくなるんだよな。。。それから、またお土産街をうろついたが、そこで京劇の衣装で歌っている人を見ることができた。正直、見た目や歌声が気持ち悪いが、エキゾチックな雰囲気が味わえ、ラッキーである。それからホテルに戻り、汚くて狭いが、シングルルームで熟睡することができた。

 

 

3日目。朝6時半起床。外に出ると、雪がうっすらと積もっている。北京は常時氷点下だから、一度降ったら雪は消えないはず。昨日までどこにも雪は全くなかったので、これが初冠雪だなと思った。本日は市内観光で、まずは故宮である。開門前は天安門広場へ行って時間をつぶしてから、8時過ぎに天安門へ入場。多くのスタッフが雪かきをしていた。楼上に上ると、天安門広場が一望できた。それからさらに奥へと進んで、チケットを買って故宮に入場。広い敷地の故宮だが、まずは直進していくことにする。午門→太和門→太和殿→中和殿・・・・と次から次へと、大きくて立派な門や宮殿が登場してくる。今日は気温が低いようで、かなり寒い。マイナス10度とかだろうか、写真を撮るときなどに手袋をはずすと、痛くなるくらいだ。多くの観光客がいたが、北京には帽子をしていない人も多く、寒くないんだろうか?と思わされた。直進を続けて出口である神武門のところへ来たところで、引き返して西六宮を見て回る。その中には、西太后宣統帝溥儀が住んでいたという建物があり、昔は暖房などなかったろうから、冬は寒くて凍えていただろうな等と考えたりしていた。それから、次に外東路をめぐる。たまに日本人のツアー客がやってきて、どさくさに紛れてガイドさんの説明を盗み聞きしたりしていた。さて、4時間くらいかけて故宮見学を終えて退場。その後は、私のお気に入りの景山公園に上ることにした。昼間の頂上からの景色も格別であった。下りてから、次に鄭和園へ行くつもりだったが、若干時間も早かったこともあり、パンダを北京動物園に一目見に行こうと思いついた。と思っていると目の前のバス停に動物園行きのバスがやってきて飛び乗った。タイミング抜群だな。。。終点の動物園で下りた後は、寒さでエネルギーが消費されているのか、お腹が非常にすいていたので食べる店を探す必要があった。KFCを発見して店内に入って注文したが、席が一向にあかない。かなり待ったが要領よく席がとれないので、惨めだが立って食べてバーガーは外で食べた。一瞬の昼食であったが、これで元気回復。動物園に向かう。動物園ではパンダ園へ直行。寝ているパンダもいたが、ほとんど起きていて本当に幸運。パンダを実際に見たのは生まれて初めてのような気がする。ゴロゴロ横になっているパンダや、笹をむしゃむしゃ食べ続けているパンダなど、思わず「かわいい~☆」と声をあげてしまうようなかわゆさである。写真だけでなく動画なども何度もとって大満足であった。パンダだけ見て、それで動物園は退場。次は地下鉄で鄭和園へ向かった。鄭和園では、まずは万寿山という丘に登った。中国の公園っていつも小高い丘があるんだな。頂上付近に達したところで問題発生。手袋が片方ない!!入り口までわざわざ戻って探してみたが、見当たらない。もう一度同じ道を上り返しても、やはりない。お気に入りの手袋だったので、非常に残念だったが、もうあきらめるしかなかった。手袋っていつもなくなる運命にあるようなグッズだな。。。その後は、丘を反対側に下りると、昆明湖のほとりの長廊に出た。ここでちょっと驚いたのが、湖の中に大勢の人が歩いてる。湖は完全に凍っているようなので、もちろん私も柵を乗り越え中に入った。対岸に島が見えたので、そこまでずっと氷の上を歩いた。1kmくらい歩いて南湖島に到達。南極の冒険家みたいな気分でうれしかった。その後、遊歩道を通って入り口まで戻ることにした。途中、完全に日が暮れてしまったが、園内に照明がほとんどなく真っ暗だった。しかも迷路みたいになっているので道に迷ってしまい、パニクった。人に聞いてなんとか脱出できたが、気味が悪かった。その後、地下鉄駅まで歩いて、市中心地へ戻った。王府井で、味千ラーメンを食べてホテルへ帰った。

 

 

4日目。朝6時に起きて、チェックアウトを済ませると、天壇に向かう。外は雪がかなり降っており、だいぶん積もってきていた。今日も相変わらず、思いっきり寒い。雪の中を祈念殿→皇弓宇→園丘と散歩した。冬の北京は半端ない寒さだったが、この時期に来たおかげで、こんな素敵な雪景色を見ることができた。やっぱり冬の旅行はロマンチック気分を味わえて私は好きだ。空港への交通が心配だったので、早めにホテルに戻って、荷物をピックアップして、空港に向かった。空港鉄道に乗っている途中、列車がストップした。隣の席の女の子に、何が起こっているの?って英語で聞いてみた。案の定、大雪で前に進めなくなったそうだ。しばらくすると、列車はバックし出して、タクシーで空港に行くしかないかと考えていると、再び停車した。もしや線路に雪が積もっていて、前にも後ろにも動けなくなったのではないか。この状況はかなりやばいなと心配になったが、私にはどうすることもできない。ということで、隣の女の子との会話をしながらひたすら待つしかなかった。彼女は20歳で、内モンゴル自治区出身で、今は北京の大学に通っているそうだ。今日は、実家の内モンゴル自治区に帰省する途中だったらしい。向こうの英語が下手で会話が困難であったが、漢字での筆談も交えて、何とか意思疎通できた。笑顔がかわいい素朴な子で、日本で出会えていたらな~、なんて思ったりしていた・・・。列車は再び空港に向けて出発し、下車時にメールアドレスを交換してお別れした。空港に着いたのはちょうどフライト2時間前。早めに出発して正解だったな。しかし、チェックインカウンターへ行くと、「北京の大雪の為に、使用機材となる飛行機がまだ大阪を出発しておりません。3時にご連絡しますので、しばらくお待ちください。日本航空」との張り紙があった。待っていて3時くらいになると、なんと「今日の大阪行きのフライトは明日に延期になったそうよ。」という声が聞こえてきた。スタッフに確認したら、「明日の10時20分にこちらへお越しください」との回答。当分大きいショックのため信じられなかった。最初は空港で1夜過ごすことを決めたが、6時くらいにあまりの退屈さに耐え切れず、市内に戻ることにした。空港鉄道に行くとかなりの混雑だったため、バスのチケットを買って並んだ。だが、凍えそうな中待ち続けるが、バスは30分以上経ってもいっこうに来ない。交通が完全に麻痺しているようだった。明日空港に無事戻れるか心配なので、結局あきらめて空港に残ることに決めた。中国料理を食べて満腹になったあとは、ベンチに横になり眠ろうとした。窓に近いせいか、寒くて眠れそうになかったので、4Fの中央付近の床に陣取って眠ることにした。ベンチがすでに満席で床しかなく、背中が硬くて寝心地は決してよくはなかったが、まあ山のテント泊みたいなもんだ。2時間おきに目が覚めたが、まあ朝の目覚めは悪くなかったので、結構よく眠れたようだった。10時ころにチェックインして、予感どおりビジネスクラスのシートをゲットした。イタリア→日本のフライトの場合もそうだったが、PEX運賃で購入して、空港で当日早めにチェックインしたら、ビジネスシートにしてくれる可能性が高いような気がする。まあ何はともあれ、その日はようやく無事日本へ帰ってくることができたのだった。