小さな冒険日記

青春時代を記録したものです。

韓国ソウル 2009/1

 

社会人になってやっと生活が落ち着きだしたので、海外旅行へ行くことにした。週末の前後の金曜日・月曜日に有給休暇を取得して4連休でソウルを目指すことにした。今回はベトナムに一緒に行ったお決まりの友人Hとの旅である。私はJALのマイルがたまっているのでそれを使いたかったが、友人を配慮して格安ツアーで行くことにした。ツアーの手配はH氏に任せておいたが、期待通り50000円弱(燃油、空港税込み)の良いツアーを申し込んでくれた。現地オプショナルツアー(板門店ツアー)は私がhttp://www.alan1.net/ で申し込んでおいた。板門店ツアーは75000ウォンである。昨今の円高ウォン安を受けて、レートが100ウォン=7円だからかなり安い。

 

1日目

飛行機は9時発の便を押さえてくれたので、朝早く起きて京成線にて成田空港へ向かう。8時前にH氏と合流し、チェックインを済ませる。搭乗まで時間があまりなかったので、トイレもゆっくりできずに慌しかった。飛行機はアシアナ航空で約2時間半のフライト。仁川空港に到着して、送迎バスに乗るために指定された場所「F番出口」で待つが、なかなかそれらしき人物が現れなかった。我々は、日本のツアー会社に電話をして問い合わせてもらい、しばらく待たされた後、「A番出口へ来てください」と館内アナウンスで流れた。そこで、広い仁川空港の端まではるばる行ってみるが見当たらない。仕方ないので戻って、インフォメーションデスクでこちらから呼び出そうとするが、ツアー会社の宣伝になるからできないとのこと。代わりに現地ツアー会社に電話をかけてくれて、話をしている途中にたまたま隣で我々の名前を呼ぶ声が聞こえて振り向くと、その人がツアーガイドであった。ツアーガイドはE番出口で集合する旨を聞いていたようだ。結局そんなことがあって、空港を出れたのは2時頃であった。これで1時間半くらい時間をロスしたことになり、非常に腹立たしかった。お互いが直接連絡する手段を持っていないため、こういったことはまま起こりうるであろうと思った。それにしてもツアー会社のいい加減さに腹が立った。さて本来、免税店へ立ち寄ることになっていたのだが、頼んでパスしてもらうことにした。バスの中では、ガイドがいろいろ説明してくれてありがたかったが、そのうちオプショナルツアーの勧誘をしだしていやになった。垢すりとNANTAを薦めてきて、騙され易い友人が申し込もうよという雰囲気を出すので、警戒感の強い私もしぶしぶ同意した。だが結局、日本人観光客相手の垢すりなんかに高い金を払ってまで行きたくなかったので、そっちは拒否することにした。NANTAはもともと時間があれば行くつもりであったので申し込んだ。さて、ホテルはREXホテルという明洞から徒歩5分程度という非常に立地条件の良いところである。ホテルで少し休憩した後、ソウル市内をぶらつくことにした。まず最初に南大門市場を通って、徳寿宮へ向かった。ソウルはやはり非常に寒いと感じた。実際、地面の雪は溶けずにずっと残っているので最高気温でも氷点下くらいであろうと思われた。その後、ロッテ百貨店などに立ち寄ったりしてぶらぶらした後、明洞聖堂へ向かう。それから日が暮れる頃に明洞(ミョンドン)で餃子を食う。なぜ韓国で餃子なのかよく分からないが、H氏のチョイスで入った。まあ現地の人で賑わっていたので、ある程度人気の店なのかもしれない。明洞の雰囲気はまさに新宿みたいな感じだ。歩いているだけで楽しめる。さてその後は、カジノへ行こうということになった。ソウル駅近くのseven luckである。中に入ると、たくさんのテーブルがあって、多くの観光客ギャンブラーで賑わっていた。ルールが分からないので、そこでパンフレットを見て少し学習する。それから各テーブルを邪魔にならないように観察する。中には高額でプレイしている人も見受けられて、自分たちの資金ではあまりに情けなすぎると感じた。結局ルールの簡単なタイサイで勝負することにした。ルールは簡単で3つのサイコロの合計を予測するものだ。1回目、1万ウォン(約700円)で勝負。合計が4~10なら’小’、11~17なら’大’が当りなのだが、私は「大きい人物になりたい!!!」という単純な理由から’大’に賭けた。だが残念ながらはずれて没収。。。2回目、クーポン券でゲットした1万ウォンを懲りずに’大’へ賭ける。見事当たって1万ウォンゲット(その際クーポン券は没収された)。さて三回目。またまた’大’へ。また当り!これで現在10000ウォンの利益が出たことになった。まだ続けようか迷ったが、このゲームはやればやるほど、確率的には損するゲーム。なぜなら合計が3あるいは18の場合は、’大’’小’いずれに賭けてもはずれになるから。ここで止めておくのが賢明!と妙に冷静な判断をして終了。カジノの雰囲気を味わえたのは良かったと思う。ちなみに、利益の1万ウォンは、1万ウォン損したH氏にあげた。こうして私は真の大きい男になったのであった。(まあ、たった1万ウォンしか賭けないで大きい男なのか?という疑問は大いに残るが・・・・)その帰り道歩いてホテルへ戻る途中、温泉マークの看板がある建物があちこちにあるのに気づいた。最初、銭湯か旅館かなと思っていたのだが、どうも違っていて風俗店のようだと分かった。ホテルの目の前の建物にも温泉マークがあり、前には呼び込みのお兄さんが立って勧誘していた。ホテルに帰ってから、そのお兄さんの行動や、客の入っていく姿を上から覗いて観察していると、張り込み刑事(デカ)になった気分で面白かった。

 

 

2日目

朝7時に起床。板門店ツアーの集合場所のロッテホテルへ向かう。ツアーの概要は以下の通り。


【ツアースケジュール】
<集合> ロッテホテル本館6階国際文化サービスクラブ→統一大橋(検問)→キャンプポニバス→ブリーフィング→ 板門店見学(自由の家、本会議場、第三警戒所、帰らざる橋など)→キャンプポニバス→昼食(1部コースの場合)
<解散> ロッテホテル明洞
☆昼食
プルコギをはじめとした、15種類以上の韓食や洋食のそろったバイキングを用意しています。

バスは8時50分発。ガイドは30歳後半くらいのおばちゃんで、日本語はあまりうまくなく、まるで外国語を聞いているようであった。車内では、南北関係の歴史について説明してくれた。(
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%BF%E9%96%80%E5%BA%97
高速道路を走ること、約1時間ほどで到着。2回ほどパスポートチェックを受けた後、観光バスから現地バスに乗り換えた。その際、「安全は保障しません」と書かれた誓約書にサインさせられた。板門店を回るには警備兵が1名必ずつくことになっているのだが、これがまたすげえ韓流のイケメンだった。板門店の兵士はみな、体格がよく精悍な顔つきをしていた。厳しい訓練のなかで変わっていくのであろう。単純な私は自分も筋トレをせねばなと痛感した。さて、このツアーのメインである、かの有名な会議場に入る時にはちょっと緊張した。中に入るとサングラスをかけた兵士が2名仁王立ちしており、1名は中央のテーブルの脇に、もう1名は北朝鮮側の扉の目の前にいた。兵士は微動だにせず、場の緊張感がひしひしと伝わってきた。この板門店で警備している兵士は韓国軍ではなく、国連軍所属であり、かなりのエリートだということだ。兵役を終えて戻っても、結婚には困らないそうだ。そういう話もバスガイドさんが話していた。韓国の徴兵制は特別の事情がない限り全男性が対象である。(
http://www.konest.com/data/korean_life_detail.html?no=557
やはり、この徴兵制は韓国内で常に物議を醸しているらしい。2年間兵役に行っている間に、彼女が他の人と結婚してしまうというような悲しいことも頻繁にあるらしい。さて、板門店を後にして、展望台などに立ち寄った後、昼食タイムとなった。バイキングというから期待していたが、冷めていてまずくて仕方なかった。体が冷えているんだから、せめて温かいものを出すとかいう配慮はないものかなと思わされた。ソウル中心部に戻ってきたのは3時頃。急いで地下鉄に乗って、鐘路(チョンノ)へ向かう。昌慶宮に入ったが、想像以上の広大な敷地により、他の遺産は営業時間に間に合わなかった。その後、昼食を食べるために東大門(トンデムン)へ。ここは、大規模なファッションビル群になっており、若者で賑わっていた。渋谷みたいな感じかな?DOOTA、Migliore、Hello apM などのビルを歩き回った。ただ、現在やはり韓国でも不景気を反映しているのか、客が閑散としており、店員が暇そうにしていた。そして、どこかビルのフードコートでチゲ鍋とチギ鍋(豚キムチ鍋)を食べた。確かにおいしいのだが、あまりの辛さにだんだん舌がしびれてきて、頭がクラクラするくらいである。ここまで辛くせんでもええやろ~と思った。食べた後は、Nソウルタワーへ行くつもりであったが、ミリオレの前でイベントがやっていたのでちょっと見ていると、面白くて結局1時間半くらいずっと立って見てしまった。メインはダンスであったが、出てくる子たちが皆かなりうまくて、ついつい見入ってしまったのだった。大音量の音楽が心地よく身体に染みてきて、寒さを忘れていた。その間、ふと今日見た板門店の兵士が思い出された。一方では、閑散とした土地で微動だにせずに立っている。もう一方では、人の集まるところで動き回っている。そのギャップが頭の中で違和感を引き起こしていた。まあだからどうしたというほどのものではないが・・・。また、観衆の韓国人たちを見ていて、ふと私がこれまで外国で出会った韓国人たちが次々に思い出された。特に、ロンドンで出会った2人とはまたいつか会いたいなと思った。私と気の合いそうな2人であった。広いこの世界で、再び出会える可能性などほぼ皆無であるが・・・。さて話は戻って、結局Nソウルタワーは断念して、ライトアップされた清渓川を散歩した後、ホテルに帰った。

 

 

3日目

朝7時起床。世界遺産の水原(スウォン)へ行く日である。地下鉄1号線からKORAIL京釜線に乗り入れ、約1時間で水原到着。観光案内所で華城への行き方を教えてもらい、バスに15分ほど揺られ到着。華城行宮はドラマ{チャングムの誓い」の撮影地であり、ドラマを見た私には楽しめた。H氏はさっさと行こうぜという感じであったが。その後、丘を登り、城壁の西将台までたどり着いた。見晴らしがよく、水原の町が見渡すことができた。大きな都市だなと思っていたが、今調べてみると韓国の人口8位の都市であった。その後、長い長い城壁をひたすら歩く。半周くらいしたところにある東将台手前で終了。そこでは、弓の体験射撃をした。想像以上に矢は勢いよく飛んで行き、的にブスっと突き刺さったら最高の気分だ。さて、再びバスに乗って水原駅前へ。昼食として水原で有名なカルビを食べたかったが、カルビと思って入った店が違っており鍋の店であった。適当に頼んだら骨だらけの鍋が出てきてぶったまげた。どうやらカムジャタンという鍋であるようだ。ここでも辛すぎで、食が進まなかった。食べた後は再びソウルに戻って、まずは世界遺産の昌徳宮へ入った。ここは非常に不便なことにツアーでしか回れないことになっていた。さらに日本語ガイドツアーは終了しており、韓国語ガイドツアーに参加したが、何行っているか全く分からず退屈することになった。1時間以上我慢したが、なかなか進まないので途中でこっそり抜け出して、昌徳宮を後にした。そして西大門刑務所歴史館へ向かった。ここは日本の占領統治時代の残虐な行為を紹介しているところであり、館内で日本語を話すこともためらわれるくらいであった。これだけ悪いことをしていたら、韓国人が日本人を恨む気持ちがあって当然だなと思わされたのだった。ただ、当時の日本人もほとんど同じ顔をした韓国人によくこんな酷いことができたものだなと思った。だんだん人間としての心が麻痺してくるのだろうか・・・。さてその後は、夕暮れ時にNソウルタワーに向かう。世界各国にあるタワーに共通な通り、カップルで賑わっていた。(ああ、東京タワーに好きな女の子と登りたい・・・。)それから明洞に戻り、石焼ビビンバ・冷麺・チジミなど、久しぶりの辛くない食べ物をたらふく食べた。石焼ビビンバがとてもおいしく、日本でもまた食いたいなと思った。おなかいっぱいになったところでタクシーに乗って、予約していたNANTA劇場へ。NANTA(
http://nanta.i-pmc.co.kr/jp/
は様々な調理器具を使って演奏するという劇だ。S席で前から2列目という良い場所であったが、それでも5万ウォンと安い。円高最高ね!!9時から始まり1時間半クオリティの高い劇を楽しんだ。劇の途中で観客から舞台に上がる人が選ばれるのだが、通路側のH氏が見事選ばれ舞台に立った。さすがのH氏も非常に恥ずかしそうにしており、「オレ通路側じゃなくて良かった」と私は思ったのだった。

 

 

4日目

前夜、寝るのが遅くなってしまったので、8時起床。朝からチルジルバンというサウナに入ることにする。場所はソウル駅から歩いていけるシロアム汗蒸幕サウナである。中には様々なサウナ室があり、暑くて息ができないような部屋や、一風変わったサウナ室もあり、楽しめた。日本人だらけの垢すりサウナなんかより、現地人で賑わうこちらの方がよっぽど良いと感じた。サウナで気持ちよく汗を流した後は、明洞でH氏チョイスの焼肉を食べた。今回の旅はほとんどH氏に頼りっぱなしであったなと思う。毎日あまりに寒くて、ガイドブックをポケットから取り出すのが億劫であったのが一因かなと思う。最後に南大門市場で、お土産を買って韓国観光もついに終了。5時のフライトでソウルを後にした。3泊4日充実した日々を過ごせたと思う。

 

 

おまけ)ソウルは東京と似ているからつまらないかなと思っていたが、想像以上に良い旅であった。韓国と韓国人が大好きになってしまった。これまで自分が旅した国は全部好きである。