小さな冒険日記

青春時代を記録したものです。

ハノイ 2011/12 〜 2012/1

 

今回の航空券は、JTBの海外航空券販売専門サイト「トルノス」で入手した。もともとこの正月時期は高いので、海外へ行く予定は無かった。しかし、出発の約1ヶ月前に暇つぶしで海外航空券サイトをブラブラしていると、ハノイ行き35000円(燃油・税金トータルで49000円)の格安チケットを発見した。広州乗換えの中国南方航空だが、乗り継ぎ時間は行き3時間・帰り2時間とちょうど良い。思わず即決で衝動買いしてしまった。今年は暦の並びが悪く、うちの会社の休みは4日間だけだが、初出の日に休みを1日頂戴し、5日間の旅行とすることができた。ホーチミン在住の友人がいるので、旅行に行く旨を伝えると、「ハノイまで会いに行くよ」との返信。かなり距離があるホーチミンハノイをわざわざ飛行機で来てくれるとのこと。さすが現地で不動産業を起業しただけあって、行動力が違う。ともかくうれしい限りである。その他の事前準備として、ホテルは「トリップアドバイザー」という口コミサイトで評価が高かったホテルの中から、料金が安かったチャーミングホテルというところを「AGODA」で予約した。それから3日は友人が帰ってしまうので、ハロン湾ツアーを「シンカフェ」というネットで事前に予約した。英語ツアーなので25ドルとかなり安かった。(参考:日本語ツアーは最低でも60ドル)

 

1日目

関空から広州へ。広州は香港の近くなので、フライトは4時間くらい。広州では、いったん入国して再出国した。待ち時間が暇だし、パスポートにスタンプをたくさん押して欲しいという幼稚な動機のためである。空港免税店では、学習中の中国語を少し使って、店員さんと話をしたりした。ほんの少しでも言葉が通じると本当にうれしいものである。やっぱり言語を学ぶのは良いことだな~と実感。広州からハノイまではベトナム航空(南方航空との共同就航便)に乗るのだが、出発が1時間も遅れた。待っているのが暇なのと寒かったのでうんざりした。ハノイには18時半着。19時半にホテルで友人Mと待ち合わせしているので、急いで市内へ向かわなければならない。タクシーの呼び込みに兄ちゃんと交渉して20万ドンで行ってもらった。ベトナムではメータータクシーが普及しているが、メーターが細工されていたり(課金スピードが早すぎる)、わざわざ遠回りをしたりすることが多いので、事前に料金交渉する方が正解だと思う。約1時間かかってホテルへ到着。約束の時間から20分も遅れたので、Mが心配しているだろうなと思っていたら、ホテルのスタッフと他の宿泊客とともにテーブルを囲んで仲良くやっているではないか。すぐに誰とでも打ち解けるのは彼の才能なのであろう。私もその中に加わり、日本から持ってきた日本酒をみなに振舞ったりして、一緒に食事を取った。1時間半ほど話した後は、疲れて眠いので部屋に戻って寝ることにした。時間は22時だったが、時差が2時間あるので日本時間24時だ。テレビを付けると、NHKの「行く年来る年」が放送されていた。こっちの新年は旧暦だからか、年越しの実感が全く無かった。

 

2日目

前日にホテルで予約していた「ホアルー・タムコック1日ツアー」(英語、25ドル)にMと一緒に参加。バスの中でM氏と近況について情報交換する。ツアーでは、まずはホアルーという古都にある遺跡を見る。正直この手の遺跡は見飽きているので、たいしたことは無い。次にタムコックという奇岩渓谷の景勝地へ到着し、レストランで食事を取った。その後、手漕ぎ小舟に乗り込み、流れの無い渓谷を往復2時間程度揺られる。漕ぎ手のお姉ちゃんは手や足を使って上手に漕いで進む。それを見てやってみたくなったM氏が漕いでみるが、全くうまく進まない。やはり経験が違いすぎるのだろう。洞窟を3回くぐり抜けたところで舟は引き返した。M氏はその間ずっとハイテンションで、すれ違う舟を見つけては、「ハロー!」とか「シンチャオ!」とか言って何回も声を掛けまくる。うるさいからいい加減止めてくれと思っていたところ、なぜか頭が痛くなってきたらしくやっと静かになったのだった。その後、バスで戻り、ハノイ中心部へ6時頃に戻ってきた。その後は、69レストランという店でM氏と奥さんの3人で夕食をとった。その後、M氏は「今から別の友人と会うから、一緒に行こうぜ」と誘われたが、私はもはや一人になりたい気分だったので「疲れたから今日はホテルへ帰るよ」と嘘を言って、別れた。その後私は一人で、ホエンキエム湖の周りを散歩した。ライトアップが美しく、少し感動した。ホテルへ帰る途中に、たまたまM氏と出くわして少し気まずい思いをした。

 

 

3日目

10時にM氏と待ち合わせ。前日ツアーで知り合った韓国人のPARKさん(我々と同様28歳) に、彼が手がけている建設プロジェクトLANDMARK72TOWER(ハノイで一番高いビルらしい)を案内してもらうことになっていた。M氏がホテルで借りたバイクに2ケツして向かう。場所が分からないので、M氏が道中あちこちで聞いて回り、やっとのことで到着した。霧でビルの上部が見えないくらいの高さであった。PARKさんは建物の中を案内してくれ、非常に親切に教えてくれた。大企業でこれほどの大きな仕事を任される人物は、能力だけでなく器も違うなと感心した。まさにビジネス視察旅行みたいな雰囲気で、いい経験ができたな~とうれしかった。その後、バイクでホテルのあるホエンキエムへ戻った。途中に、地元の人で賑わうローカル麺屋さんで昼食を食べた。それから、ベトナム式マッサージ店へ行って時間を潰した後に、本日の便でホーチミンへ帰るM氏と別れた。その後私は一人で事前に予約していた水上人形劇場へ行った。劇の内容はさっぱり分からなかったが、水上で人形の動く様子は面白かった。どんな仕組みで人形を動かしているんだろう?前の席のごつい西洋人が子供を膝の上に乗せていた為、2人が私の視界を遮り劇がよく見えなかった。劇が見やすいようにとの親心は理解できるが、それでも心の中に多少のイライラ感は抑えることができなかった。そうこうしているうちに1時間の劇は終わってしまった。劇場を出た後は、ドンスアン市場まで旧市街をブラブラ歩いて往復した。足が疲れたので、ハノイ大教会で休憩していたら、結婚式の最中であることに気づいた。勝手に部外者が結婚式に参加できるとは知らなかった。こんな由緒ある大教会で結婚式を開くのは素敵だなと思った。ああ、結婚したい(相手いないけど・・・)。夕食はホエンキアム湖近くのタイ料理店でタイカレーを食べた。なかなかおいしいな~と思っていたら、だんだん舌がビリビリとしてきた。

 

 

4日目

ツアーで世界遺産であるハロン湾へ。ホテルで約束の時間から30分たって不安になった頃、ようやくお迎えが来た。ガイドはハさんというかわいい女の子で、一目で惚れちゃいました。さて、そのハさんに、「他にも日本人の参加者がいるよ」と言われ隣の席に案内された。そのOさんとは、意気投合してハロン湾に着くまで4時間くらい話続けた。Oさんはテレビ局で番組制作の仕事をしている45歳独身男性だ。海外旅もこれまでに取材も合わせて100回くらい行っているという経験豊富な人物である。お互いの仕事内容・過去の海外での経験について話をしていると非常に興味深く全く飽きなかった。経済状況等の真面目な話から、おねえちゃん遊び等の不真面目な話まで幅広く情報交換した。非常に博識な人だなと思ったが、番組制作という仕事柄、日々幅広く情報収集をしておかなければならないそうだ。言葉使いも丁寧で、好感の持てる人であった。ツアーはハロン湾に着くと、観光船に乗り込んだ。食事は船上で移動中に食べたが、なかなかおいしかった。船から下りると、カヤックを30分間程度漕いで、ハロン湾の景色を楽しんだ。「世界遺産たる価値はありますね」とOさんと納得しあった。その後、船で別の場所へ移動して、鍾乳洞(ティエンクン洞)の内部を探索した。16時過ぎに陸地に戻ってきて、バスで帰路に着いた。日帰りツアーだと現地滞在時間は4時間と短いので、1泊しても良いのかもしれない。帰りもバス社内で4時間ぶっ通しでOさんと話をし続けた。17歳も違うのに、この人とは友達になれる(向こうは嫌かもしれないが)と思って、驚いた。ハノイ市内に到着後、メール交換をしてから別れた。夕食は「フォー24」というチェーン店に入って、フォーを食べてから寝た。

 

 

5日目

朝早起きして、ホーチミン廟へ向かう。ホテルから歩ける距離だったので、タクシーを使うのをやめて散歩がてら歩いた。ホーチミン廟の受付で、昨日のツアーで一緒だった2人と再開し、行動をともにすることにする。開館時間まで30分くらい待って、いよいよ入場。建物の階段を登っていくと、ホーチミンが眠っている部屋に出た。遠くて照明が暗いのであまりよく見えなかったが、真っ白な顔をしていた。どういう保存方法をしているのだろうか?拝観時間はほんの30秒くらいだった。なぜ社会主義では指導者(レーニン毛沢東金日成、・・・)の遺体を保存する慣習があるのだろうか?その後は、「ホーおじさんの家」と呼ばれる住居を見学した。質素な家でホーチミンの素朴な人柄が垣間見れる。社会主義の指導者の中で唯一独裁者とはならなかったという点で、人間的に非常に素晴らしい人物であったのだと思う。その後、2人と別れた後、戦争博物館で時間を潰してからホテルに戻った。荷物をピックアップしてから、タクシーに乗って空港へ向かった。帰りのベトナム航空は遅れることがなかったので、無事広州で乗り継ぎ出来た。関空では、またしても税関で荷物検査された。パスポートにたくさん色んな国のスタンプが押してあるし、一人旅だからだろう。「出張ではありません」と答えると、「うらやましいですね」と検査官に言われて返答に困った。確かにお金も余裕あるし、休みも最低限は取らせてもらえるので、ありがたいことだなあと実感した。

 

 

今回も盛りだくさんで良い旅だったなあと思う。ハノイの冬はかなり寒かった。気温はそんなに低くないが、湿度が高いことにより、体感温度が低く感じる。服装は日本の冬と全く同じであった。毎日霧だらけで、太陽を見ることがなかったが、ハノイの冬はだいたいこんな天気なんだろうなと思う。